報恩講の初参り案内:法要の意味と当日の過ごし方

お寺の案内にある「報恩講(ほうおんこう)」は、親鸞聖人の命日を縁として、その教えに耳を傾ける浄土真宗の法要です。初めてのお参りなら、まずは一座の法要にお参りし、法話を聞く予定を立てると、当日の過ごし方が見えてきます。

京都の本山へ行く場合と、近所のお寺に招かれた場合では、日程も準備も違います。とくに西本願寺と東本願寺は開催月が異なるため、寺院名まで見て予定を確かめたいところです。

本願寺派の法要へ参列する際、手元に式章があれば、門徒式章の意味と身につけ方も準備の参考になります。

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報恩講で、どんな恩をたずねるのか

「報恩」という字から、親孝行や先祖への感謝を思い浮かべるかもしれません。報恩講でたずねるのは、親鸞聖人が伝えた阿弥陀仏の教えと、その教えに出会えた恩です。本願寺派の報恩講の説明では、親鸞聖人に感謝し、阿弥陀仏の救いをあらためて味わう法要とされています。

ここでいう救いには、迷いや煩悩を抱えた身が阿弥陀仏の本願にまかせ、念仏とともに生きるという信仰が含まれます。「感謝を忘れずに暮らそう」という生活訓だけでは、報恩講の意味を十分につかめません。親鸞の生涯と教えを少し読んでおくと、法話に出てくる言葉にも親しみやすくなります。

ただ、教えを理解し終えてから参加する必要はありません。法話を聞いて初めて疑問が生まれることもあります。その疑問を持ち帰れるのも、お参りのよさです。

西と東で異なる日程の一覧

お参り先本山の例年の期間日程を見るときの注意
本願寺派の本山・西本願寺1月9日から16日御正忌報恩講の案内を見る
真宗大谷派の本山・東本願寺11月21日から28日報恩講の年次案内を見る
各地の寺院・別院寺院ごとに異なる本山と同じ日とは限らない
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親鸞聖人の没年月日は旧暦の弘長2年11月28日で、新暦に換算した日付が1263年1月16日に当たります。東西の本山では、この命日の扱いに応じて上の期間に法要を勤めています。旧暦を毎年換算して移動する日程ではありません。

地域のお寺では、本山への参拝と重ならないよう、別の時期に勤めることもあります。「お取り越し」「ほんこさん」といった呼び方に出会うかもしれません。仏教の年中行事の中でも、報恩講は全国同日の行事として予定を組みにくいものです。手元の案内の開催年と寺院名を照らし合わせておくと、古い日程との取り違えを防げます。

門徒でなくても参加できる?

東本願寺の公式案内は、報恩講の各法要に誰でも参拝できるとしています。個人の参拝は申込なしで入堂できますが、駐車場を利用する団体は事前申込が必要です。こうした受付条件は、参拝先の案内に沿って判断します。

近所のお寺の掲示板で見つけた法要なら、一般の参加を受け付けているかが最初の確認点です。「初めてですが、法要と法話に参加できますか」と尋ねれば用件が伝わります。家庭で勤める報恩講は私宅での仏事なので、公開された寺院の法要と同じようには入れません。

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服装と持ち物は、座って過ごす時間から考える

報恩講という名前だけで、葬儀と同じ喪服を用意すると決める必要はありません。一般参拝の服装に指定がなければ、お堂で座りやすい落ち着いた服を選ぶのが実用的です。寒い時期の参拝では、脱ぎ着しやすい上着や足元の冷えへの備えも役立ちます。

念珠を持っていれば持参し、勤行本を持っていく場合は参拝先の宗派に合うものを選びます。初回で何も持っていなければ、貸出や当日の配布があるかを尋ねてから準備できます。道具をそろえる費用が気になっている段階で、慌てて一式を買うことはありません。

正座が難しい場合は、椅子席の有無を申し出ておくと安心です。東本願寺は一部に椅子を用意し、足の不自由な方などへの優先利用を案内しています。同行者がいるなら、席や退出のしやすさも含めて一緒に相談しておけます。

読めないお勤めにも、耳を傾けてみる

法要では、声を合わせて勤める時間と、教えの話を聞く時間があります。勤行本の字は追えても、節や速さについていけないことはあります。無理に先へ読まず、周りの声を聞き、読めるところから加わればよいでしょう。

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「正信偈(しょうしんげ)」は親鸞聖人が念仏の教えを讃えた偈です。また、報恩講では親鸞聖人の歩みを記した「御伝鈔(ごでんしょう)」が読まれることがあります。この区別を知るだけでも、今何を聞いているのかが少しわかります。東本願寺の教えの案内で、それぞれの由来を読むことができます。

法話の後は、心に残った言葉を一つ書き留めるくらいでも十分です。全部を要約しようとするより、「この言葉はどういう意味だろう」と次に尋ねたい点が残るほうが、読み返すきっかけになります。

お斎とお供えは、それぞれの案内を読む

「お斎(おとき)」は、仏事に集った人たちがいただく食事です。報恩講のお斎には、教えを聞く仲間と食事をともにする意味があります。法要への入堂が申込不要でも、食事には予約や人数の締切が設けられることがあります。東本願寺のお斎の案内でも、申込のある食事として扱われています。

お供えや懇志を持参する場合も、食事代と一つにせず、受付の名目に合わせます。全国共通の金額を探すより、届いた案内に金額や納め方の指定があるかを読むほうが確実です。包みを用意する際はお寺へのお包みの表書きも参考になりますが、報恩講用の袋が指定されていればそちらを使います。

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京都まで行けなくても

報恩講は本山の大きな法要だけでなく、各地の寺院や家庭でも受け継がれてきました。遠出が難しければ、近くのお寺の日程を探したり、公式に案内される法話の配信を聞いたりする方法があります。

初参りの予定を立てるなら、「どのお寺の、どの回を聞くか」を一つ決めるところから。帰宅後に勤行本をもう一度開けるよう、会場で読んだ箇所を覚えて帰るのもよい過ごし方です。

よくある質問

門徒でなくても報恩講にお参りできますか?

東本願寺の報恩講は、どなたでも参拝できると案内されています。地域のお寺では一般公開の法要か、申込が必要かを案内で確かめます。家庭で勤める報恩講には、招かれてから伺います。

西本願寺と東本願寺で報恩講の日程が違うのはなぜですか?

親鸞聖人の命日を、西本願寺では現在の暦で1月16日、東本願寺では旧暦の月日を受け継いで11月28日として勤めるためです。本山の期間はそれぞれ1月9日から16日、11月21日から28日です。地域の寺院は別の日程を組みます。

報恩講は全日程に参加しなければいけませんか?

本山の報恩講では期間中に複数の法要があり、参拝する回を選べます。日程表で一座の開始時刻と終了予定を見て、無理なく聞ける回を選ぶとよいでしょう。お斎や関連行事は別に申込が必要な場合があります。

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