通夜振る舞いとは?食べるべきか、断るときどうするか

お通夜のあと、別室や隣の部屋に案内されて食事の席が設けられていることがあります。寿司や煮物、サンドイッチなどが並んでいる。「どうぞお召し上がりください」と促されるけれど、食べていいのか、断っていいのか、どのくらいいればいいのか、判断に迷う人は少なくありません。

この食事の場が「通夜振る舞い」(つやぶるまい)です。地域によっては「お清め」と呼ぶこともあります。

通夜振る舞いの仏教的な意味

通夜振る舞いは、単なる食事会ではありません。仏教では、弔問客が食事を共にすることが故人への供養の一つと考えられています。

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お斎(おとき)の意味でも整理しましたが、仏教において食事を分かち合う行為には布施の要素があります。遺族が弔問客をもてなし、弔問客がそれをいただく。この双方向のやりとりが、故人の功徳を積む行為になるという考え方です。

「食べること自体が供養になる」。この認識があると、通夜振る舞いの席に座ることへの心構えが少し変わります。

食べるべきか、断ってもいいのか

結論から言えば、一口でも箸をつけるのが望ましいとされています。

通夜振る舞いに箸をつけることは、故人に対する最後の食事の共有であり、供養への参加を意味します。食欲がなくても、お寿司を一貫、煮物をひと口いただくだけで構いません。お酒が苦手であれば、お茶やソフトドリンクで問題ありません。

ただし、断ることが失礼に当たるわけではありません。次のような事情がある場合は、辞退して構いません。

体調が悪い場合。仕事や家の事情で早く帰らなければならない場合。精神的にその場にいるのがつらい場合。

断る際は「申し訳ありませんが、このあと所用がございまして、失礼いたします」と伝えれば十分です。「故人のご冥福をお祈り申し上げます」と添えると、気持ちが伝わります。

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席での振る舞い方

通夜振る舞いの席では、いくつかの暗黙のマナーがあります。

長居しない。通夜振る舞いの滞在時間は30分から1時間程度が目安です。遺族は弔問客の対応に疲れていますし、後片付けもあります。適度なところで「お先に失礼します」と声をかけて退席してください。

大声で話さない。故人の思い出話が自然に出ることはありますが、宴会のように盛り上がるのは避けます。声のトーンは落ち着いたまま、穏やかに過ごしてください。

遺族への配慮。遺族はこの席でも弔問客一人ひとりに対応しています。長く話し込むと他の弔問客への対応が遅れます。お悔やみの言葉は短く、「本日はお参りさせていただきました。お力落としのことと存じます」程度で十分です。

通夜振る舞いがない場合

近年、通夜振る舞いを行わない葬儀が増えています。家族葬で弔問客が少ない場合や、斎場の設備の都合、コスト面の理由などさまざまです。

家族葬の仏教的な考え方で触れた通り、葬儀の規模や形式は変わっても、供養の本質は変わりません。通夜振る舞いがなかったからといって、供養が不十分になるわけではありません。

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代わりに持ち帰り用の折り詰めや菓子を用意する場合もあります。受け取った場合は、帰宅後に故人を偲びながらいただくとよいでしょう。

通夜振る舞いで遺族側が迷うこと

参列者としてだけでなく、遺族として通夜振る舞いを準備する側の悩みもあります。

人数の予測が難しい。何を出せばいいかわからない。予算をどこまでかけるべきか。

お通夜の意味でも書いたように、通夜は本来、故人のそばで夜を過ごす時間です。通夜振る舞いはその延長にある場ですが、遺族が準備に追われて疲弊しては本末転倒です。

料理は葬儀社に任せるのが一般的です。人数は弔問客の7割程度を目安に準備すれば、多少の過不足は吸収できます。余った場合は遺族やお手伝いの方で分けて構いません。

通夜振る舞いの席は、故人を中心にして生者が集まる最後の食卓です。作法を気にしすぎて緊張するよりも、故人のことを静かに想いながら、一口でも口をつける。それだけで、あなたがその場にいた意味は十分に伝わります。

帰り道、ふと故人のことを思い出すかもしれません。通夜振る舞いで口にした料理の味が、故人との記憶と結びつくこともあるでしょう。仏教では、食事を分かち合うこと自体が縁を確かめ直す行為です。その一口が、あなたと故人をつなぐ供養の形になっています。

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よくある質問

通夜振る舞いは絶対に食べなければいけませんか?

絶対ではありませんが、一口でも箸をつけることが故人への供養になるとされています。お酒が飲めない場合やアレルギーがある場合も、お茶を一杯いただくだけで構いません。完全に辞退する場合は「申し訳ありませんが、このあと所用がございまして」と伝えれば失礼にはなりません。

通夜振る舞いにはどのくらいの時間いればいいですか?

30分から1時間程度が一般的です。長居するものではなく、他の弔問客と入れ替わりながら短時間で席を立つのがマナーとされています。遺族に声をかけてから静かに退席してください。

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