門徒式章の身につけ方:本願寺派のお参りを始める人へ
門徒式章(もんとしきしょう)は、浄土真宗本願寺派の門徒であることを示し、法要などに参列するときに用いるものです。首からかける細い布を、お寺で見たことがある人もいるでしょう。
家族から譲り受けたり、法要で渡されたりしても、名前や向きを教わる機会がなかったかもしれません。ここでは本願寺派の規程と寺院の案内に沿って、選ぶとき、着けるとき、お参りへ持っていくときの順に見ていきます。
門徒として、仏前に向かうしるし
本願寺派の服制規程第7条は、肩衣または門徒式章を、門徒であることを示すために用いると定めています。法要・儀式に参列するときや、その他必要な場合に着用します。
本願寺派保育連盟の子ども向けの説明では、仏さまへの敬いの気持ちを表すものとして紹介されています。門徒という立場を表すことと、仏前に向かう姿を調えることが、身につける意味になります。
報恩講にお参りする日にも、持っている式章を準備に加えられます。何を身につけているかを知ると、親鸞聖人の教えを聞く場へ向かう気持ちも、少し具体的になります。
輪袈裟、肩衣、門徒式章を分けて知る
首の周りにかける形が似ているため、「輪袈裟」と呼んでいることがあります。ただし、本願寺派の服制で見ると、僧侶の輪袈裟と門徒式章は別に扱われます。
肩衣も門徒が用いるものですが、門徒式章と同時に重ねて用いるものではありません。第7条には、双方を兼ねて着用しないことも定められています。
本願寺派の規程にある位置づけ
| 名称 | 主な位置づけ |
|---|---|
| 輪袈裟 | 僧侶の服装の規定に登場する袈裟 |
| 門徒式章 | 門徒であることを示すもの |
| 肩衣 | 同じく門徒が用いるもので、門徒式章との同時着用はしない |
仏具店などで相談する際には、宗派と、自分が門徒として使うことを伝えると、名称の行き違いを減らせます。家にある品の名前が分からなければ、写真を撮って所属寺院に見てもらう方法もあります。
色柄だけで選ぶ前に、授与された理由を見る
服制規程では、第1種を一般門徒、第2種を門徒講・講社・職務などに応じたものとして分けています。門徒式章条例の別表には、帰敬式受式者や門徒講の講員など、着用者ごとの種類が記されています。
そのため、家族のものと色や幅が違っていても、直ちに間違いとは限りません。いつ、どこで、何の折に授与されたものかが、選ぶ手がかりになります。箱や添え書きが残っていれば、一緒に見ておくと役に立ちます。
帰敬式で受けたものなのか、寺院の記念法要でいただいたものなのか。まずその来歴を確かめると、似た形の品を取り違えずにすみます。意匠の違いを、そのまま信仰の深さの順位に置き換える必要はありません。
首からかけるとき、文字の位置を確かめる
式章は首からかけて用います。ねじれをほどき、表裏と、文字や寺名が来る位置を確かめます。初めて使う日は、法要が始まる前に一度着け、説明を受ける余裕を取れます。
具体例として、本願寺派の自然寺の案内では、同寺が調製した式章について、「自然寺」の文字が着用者の左胸に来るよう示しています。これはその寺の式章を着けるための目印です。
家の式章に同じ場所の文字がない場合、そこへ無理に当てはめる必要はありません。授与元や同封の案内で、表裏と左右を確かめます。一度教わったら、正しく着けた状態の写真を自分用に残しておくと、次のお参りで迷いにくくなります。
法話会には、経本や念珠と一緒に
自然寺は、法要や法話会などへの参拝に、念珠・経本・門徒式章の三つを持参するよう案内しています。日々のおつとめと同じく、手元で使うものをそろえて出かけると、席に着いてから落ち着いて準備できます。
服装の指定は、行事ごとに読み分けます。たとえば本願寺派の2026年度門徒推進員中央教修の案内には、普段着で門徒式章を着用し、念珠を持つよう記されています。これは同教修での指定であり、すべての法要を普段着でよいとする案内ではありません。
手元に式章がないときは、案内の持参品を見たうえで、受付先へ相談できます。貸し出しや授与があるかは、その寺院と行事によります。持っていないことだけで、お参りそのものをあきらめる前に確かめられます。
お参りのあと、次に使える場所へ戻す
帰宅したら、ねじれや汚れを見て、授与時の袋や箱など、折り方を保てる場所に納めます。これは次のお参りで見つけやすくするための工夫です。布地や刺繍が傷んだときの手入れは、素材に合う方法を授与元や取扱店に尋ねます。
式章と一緒に、経本や念珠を用意する場所も決めておく。法話会の案内が届いたとき、前回どこへしまったか探す時間が減ります。使うたびに、家族から受け継いだ品の来歴や、自分が聞きたい教えを思い出すきっかけにもなります。
よくある質問
門徒式章と輪袈裟は、同じものですか?
本願寺派の服制では、門徒が用いる門徒式章と、僧侶の服装に定められた輪袈裟を分けています。形が似ていても、着用する立場と意味を確かめて選びます。
門徒式章の向きは、どう確かめますか?
首からかけ、表裏や寺名・文字の位置を、授与された際の説明で確かめます。たとえば自然寺は、同寺の式章の寺名が着用者の左胸に来るよう案内しています。別の意匠には、その式章の説明を用います。