御詠歌を聴いてみたい人へ:梅花流の歌とおつとめ
お寺で、読経とは違う節のついた歌と、澄んだ鈴の音を聞くことがあります。それが御詠歌や御和讃のおつとめである場合があります。
御詠歌は、仏や教えを讃える言葉に節をつけて唱えるものです。曹洞宗には「梅花流詠讃歌(ばいかりゅうえいさんか)」という流派があり、御詠歌と御和讃を通して、仏の教えに親しみます。まず一曲を聴き、題名や言葉をたどるところから、その世界に触れられます。
梅花流は、曹洞宗の信仰を歌で学ぶ場
梅花流は1952年に創立されました。曹洞宗の公式案内は、釈迦、道元禅師、瑩山禅師の教えを学び、誓いのもとで実践する信仰活動として紹介しています。
寺院で仲間と集まって唱えることも、その活動の大切な部分です。声を合わせ、言葉の意味を教わり、法要の場で奉詠する。歌を覚えることと、教えを学ぶことが一緒になっています。
梅花流は、御詠歌全体を指す名前ではありません。たとえば妙心寺には花園流があります。家で親しんできた御詠歌と、別の寺院で聞いた歌の節が違う場合は、流派の名を見ると理由が分かることがあります。
日々の勤行と同じく、どの教えの中で、何を唱えているかを知ることが、資料を選ぶ最初の手がかりになります。
御詠歌と御和讃では、言葉の形が違う
御詠歌は、五・七・五・七・七の和歌に節をつけたもの。御和讃は、七五調の言葉に旋律をつけて仏や教えを讃える歌です。この形の違いは、妙心寺の御詠歌の解説でも紹介されています。流派は違っても、題名にある「御詠歌」「御和讃」を読む際の参考になります。
短い和歌でも、節をつけると一つの言葉を長く伸ばしたり、繰り返したりします。そのため、歌詞だけを読んだ長さと、実際に唱える時間は同じ感覚になりません。初めは歌詞のどこにいるかを見失っても、句の終わりを目印にすれば追いやすくなります。
梅花流の公式音源には「三宝御和讃」「修証義御和讃」などがあり、題名から何を讃える歌かを知ることもできます。三宝という言葉なら仏・法・僧への帰依、修証義なら五章に説かれる教えが、歌の言葉を学ぶ手がかりになります。
経典の本文を読むことと、その教えを歌で讃えること。それぞれの形を知ると、法要の中で声の調子が変わったところにも、意味のある区切りが見えてきます。
鈴と鉦にも、曲ごとの作法がある
梅花流では、鈴(れい)と鉦(しょう)という法具を用います。手で持つ鈴の響きと、鉦を打つ響きが、声とともにおつとめを形づくります。どこで鳴らすかは、曲や作法に沿って学びます。
すべての曲で二つを同じように使うわけではありません。曹洞宗の「坐禅御詠歌(浄心)」の解説では、この曲は鈴を用いず、鉦だけを伴って唱えることが紹介されています。
こうした違いを知ると、法具が鳴っていない時間も、単なる休みとは限らないことが分かります。音の数を数えるだけでなく、声の始まり、句の区切り、法具の響きがどのように関わっているかを聴いてみると、一曲の形をつかみやすくなります。
実際に習う際は、持ち方や鳴らす位置を指導者の動きで確かめます。音声に合わせて自己流で手を動かす前に、参加先で使う譜と作法を一緒に教わるほうが、後から直す点も少なくなります。
公式音源で、一曲をたどってみる
曹洞宗の「お唱えを聴いてみましょう」には、曲ごとに試聴と歌詞への入口があります。最初は題名を一つ選び、音だけで一度聴いてから、歌詞を開く方法があります。
最初から声を合わせる必要はありません。どこで一つの句が終わるか、どの言葉が繰り返されるかを見ながら聴くと、文字と旋律が結びついていきます。知らない仏教語が出てきたら、曲を止めて、その言葉を確かめてもよいでしょう。
曲名の後に「紫雲」「浄心」などの名が添えられているものもあります。練習のために音源を選ぶときは、題名の前半だけで判断せず、手元の教材に記された名まで照らし合わせます。同じ歌詞でも、選ぶ節が違えば声の運びが変わることがあります。
公式ページには洋楽譜や映像教材への入口も用意されています。五線譜に慣れた人と、実演を見て覚えたい人では、手がかりになる教材も違います。ひとまず一曲を選んで、続けて聴けそうな形を探せます。
お寺の梅花講に関心が湧いたら
梅花流を学ぶ寺院の集いを探すには、曹洞宗の公式案内にある「梅花講登録寺院」の検索が使えます。近くに登録寺院が見つかっても、開催日や初めての人の受け入れ方は別に確かめます。
連絡するときは、梅花流は初めてであること、まず見学したいのか、一緒に習いたいのかを伝えると話が進みます。教材、法具、会費の有無、通う頻度などは、その集いの実際の内容として尋ねられます。全国共通の金額や、初回から全道具をそろえる決まりがあると考える必要はありません。
一曲を聴いて気になった言葉があれば、それを持っていくのもよいでしょう。「この歌は、どんなときに唱えますか」と聞くことで、音源だけでは分からなかった、おつとめの場面が見えてきます。
よくある質問
御詠歌と御和讃は、どう違いますか?
御詠歌は五・七・五・七・七の和歌に節をつけたもの、御和讃は七五調の言葉などで仏や教えを讃える歌として説明されます。曹洞宗の梅花流では、これらを詠讃歌として唱えます。
梅花流は、すべての宗派で同じように唱えますか?
梅花流は曹洞宗の流派です。御詠歌にはほかの流派もあり、曲や節、用いる譜や作法が異なります。習う場合は、参加先と同じ流派の教材を使います。
始める前に、鈴や鉦を買う必要がありますか?
まず参加したい寺院へ、初回に必要な持ち物を尋ねるのがよいでしょう。見学や貸し出しの扱いは寺院によって異なります。公式音源を聴き、曲の雰囲気を知るところから始める方法もあります。