募金の呼びかけを、SNSで広める前に

友人から募金の案内が届き、「よかったら広めて」と頼まれた。自分には大きな金額を出せなくても、紹介ならできると思うかもしれません。ただ、自分の名前を添えて転送すると、受け取った人は「この人が勧めるなら」と判断することもあります。

募集を紹介する時には、支えたいという気持ちに加えて、自分が何を確かめ、どこまで説明できるかが問われます。募金を始めた人でも、現場を訪ねた人でもない。その立場のまま、伝えられる言葉を選べます。

届いた画像から、募集元の案内へ

国民生活センターの被災地支援をうたうSNSのDMへの注意喚起では、自分で事業者の公式サイトを確認し、寄付を募る団体の活動、使途、振込先の名義を確かめるよう案内しています。転送する側も、まずその確認に戻れます。

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画像に口座番号だけが載っていたら、募集元の案内を探します。いつまで、何を目的に集めているのか。以前の災害時の募集を、今も受け付けていると思い込んでいないか。確認できる案内が見つからなければ、急いで次の人へ送らず、いったん保留にできます。

知人には「紹介する前に、募集元の案内を読んでおきたい」と伝えられます。確かめるために必要なのは、その人の善意を問い詰めることではなく、紹介する情報に戻れる場所です。

お金が誰に、何のために届くのか

「被災地のため」という説明だけでは、資金の行き先までは分かりません。日本赤十字社の国際活動に関するFAQでは、国内災害の義援金は全額を配分委員会へ送り、その計画に基づいて被災者へ届けると説明しています。一方、海外の救援金は、赤十字の救援や復興支援の活動資金であり、被災者へ直接渡すお金とは区別されています。

これは同社の募集についての説明です。他の募集も、それぞれの使途を読みます。活動を支える寄付を紹介するのに、「全額が一人ひとりへ直接届く」と書き足せば、別の約束になってしまいます。自分の望む使われ方と、募集元が示す使われ方が合うかを確かめ、案内にない約束は加えずに紹介します。

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布施をする時にも、偽りを離れる

『十善業道経』は、龍宮で仏が龍王に説く形をとる経典です。経文は、善い行いを繰り返し思い、観察し、不善を混ぜないことを説きます。そこから身・言葉・心の十善へ進み、後半では十善と布施を結びつけます。

その一つに、偽りの言葉を離れて布施を行うことが挙げられます。与える行為だけを切り離して評価せず、どのような言葉や心とともに行うかを見る教えです。ここで説かれるのは、菩薩が仏のさとりへ向かう修行であり、経文は功徳や成仏への回向も述べています。

経の結びでは、十善を大地にたとえます。町や村、草木が地面をよりどころにするように、人や天の営みから菩薩の行いまでが、十善を土台にすると説かれるのです。布施を立派に見せるために言葉の誠実さを後回しにするなら、飾ろうとしている行いの足もとを、自分で取り去ることになります。

この組み合わせを募金の紹介で受け止めるなら、役に立ちたいからこそ、話を大きくしないことを考えられます。集まる金額を増やすために、自分が寄付していないのに「私も寄付しました」と添えたり、会ったことのない人を「よく知る活動家」と紹介したりしていないでしょうか。

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善い目的を示す言葉と、実際に行ったことを述べる言葉は、同じ投稿の中に並びます。後者を偽れば、前者の熱心さだけではその偽りは消えません。経典に説かれる布施と十善の結びつきは、支援のためなら途中の言葉は多少違ってもよい、という考えに立ち止まる手がかりになります。

自分の賛同と、友人の判断を分ける

紹介文は、短くても自分の立場が分かる形にできます。たとえば「この活動の趣旨に賛同しています。関心があれば案内をご覧ください」と書く。これは自分の気持ちを伝える言葉で、相手が寄付すると決めたことにはなりません。

グループで「協力してくれた人は名前を教えて」と求めると、寄付しない人まで返事を考えることになります。金額を比べたり、既読の人へ個別に催促したりせず、紹介を受け取るだけで終えられる余地も残せます。自分に余裕がある日と、友人に余裕がある日が、同じとは限りません。

支援には、募集を広める以外の関わり方もあります。現地で手伝いたいと考える場合には、災害ボランティアに出発する前の確認へ進めます。自分の関わり方を選ぶことと、周囲を同じ行動へ誘うことは、分けて考えられます。

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紹介した後にも、言葉を置き直せる

募集の終了を知ったら、自分が付けた「募集中」の案内も見直します。紹介した時の投稿が、そのまま現在の状況を表しているとは限りません。自分で書いた案内のどこを直すかを考えます。

誤った内容を紹介したと分かった場合には、誤情報を送った後の訂正が次の作業です。自分が見ていないことまで保証せず、分かった変更は伝え直す。募集元と読む人の間に立つ時、自分の言葉で引き受けられるのは、その範囲です。

よくある質問

親しい人から届いた募金案内でも、確認が必要ですか?

送ってくれた人を信頼することと、募集内容を確かめることは別です。自分でも募集元の公式案内を探し、活動や使途、振込先の名義を確認してから、紹介するか判断できます。

募金案内を転送しないのは、冷たいことでしょうか?

支えたい気持ちを、転送の有無だけで測ることはできません。内容を説明できないまま勧めるのを控え、自分にできる別の支援を選ぶこともできます。友人にも、寄付するかを自分で決める余地を残したいものです。

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