仏壇のおりんはいつ鳴らす?真宗大谷派のお参りと勤行

真宗大谷派では、おりんは勤行の始まりや区切りを知らせる合図です。仏壇の前に座るたびに鳴らすものとはされていません。ここでは東本願寺の案内に沿って、合掌して念仏を称えるお参りと、勤行の中で打つ鈴を分けて見ていきます。

仏壇の前で手を合わせる前に、おりんを二回、あるいは三回。家で見てきた順番は覚えていても、「いつ鳴らすための音なのか」は、案外教わる機会がありません。

合掌だけのとき、おりんは鳴らす?

真宗大谷派は、阿弥陀如来を安置する家庭の仏壇を「お内仏(おないぶつ)」と呼びます。朝、外出前にその前で合掌し、念仏を称える。このお参りに、毎回おりんを添える作法はありません。東本願寺のお内仏の案内では、鈴の役割を勤行時の合図として説明しています。

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いつもの動作から一つ音がなくなると、何か足りないように感じることはあるでしょう。そこで、自分が今しているのは短い合掌・礼拝か、それとも勤行本を開いて行うお勤めかを見てみます。回数を決める前に、使う場面がわかります。

二回か三回かより、勤行本の位置を見る

「おりんは何回?」という聞き方だけでは、答えを一つにできません。勤行のどの箇所で打つかと、そこで何回打つかが結びついているためです。途中の合図を、仏壇の前に座ったときの回数として覚えてしまうと、使いどころがずれます。

大谷派の機関紙『同朋新聞』は、勤行本の文字の右側にある●印が、鈴を打つ箇所と音の大きさを表すと説明しています。手元の本を開き、声に出す文字と、その右側の印を一緒に追ってみると、音だけの記憶を読み直せます。「教えて住職!」2026年6月号に、この説明があります。

小さな印を見つけても、すぐに全体の打ち方を覚える必要はありません。お寺で習うときは「この印は、この文字を読み始めるときですか」と、ページを指して尋ねると具体的です。録音や動画を参考にする場合も、自分の本と同じお勤めをしているかが出発点になります。

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手元の「正信偈」は、どの勤行本?

本の表紙だけでなく、扉や奥付に書かれた宗派名・書名を見ます。「正信偈」という名前が同じでも、それだけで読み方や次第まで同じと判断しないほうが迷いません。家族の本と一緒に練習するなら、目次と実際に開くページも照らし合わせます。

正信偈は、親鸞聖人が念仏の教えを讃えた偈です。東本願寺の教えの解説では、釈尊から七高僧を経て教えが伝わったことへの感銘を記すものとされています。節や鈴の扱いを習いながら、何を読んでいるのかにも少しずつ親しめます。

自宅での一連の流れがまだわからない場合は、日常のおつとめの始め方から、準備と勤行の関係をつかめます。鈴の作法を覚えることも、その流れの一部です。

家族で勤めるときは、調声人の合図を聞く

同じ『同朋新聞』の記事には、家族で勤める場合の具体的な説明があります。正面で声を導く人を「調声人(ちょうしょうにん)」と呼び、その人の最初の鈴の音で合掌を解き、お勤めに入るというものです。

一緒に勤める側は、自分の覚えている間合いで先に読み出そうとせず、その場の声と合図に耳を向けます。途中でページがわからなくなったら、近くの人の本を見せてもらい、同じ箇所に戻れます。参加者がそれぞれ鈴を打つ必要はありません。

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親戚の家へお参りする場合も、おりんが手の届くところにあるからといって、すぐ撥を取ることはありません。「こちらでは、どのようにお参りしていますか」と家の方に聞けば、その場のやり方に合わせられます。僧侶が勤行を進めている間は、その合図に従います。

おりんを置く場所と、朝の音

大谷派の案内では、勤行中の鈴は和讃卓(わさんじょく)と呼ぶ経机の右側に置きます。机がなければ右膝のあたりなど、打ちやすい場所に置くとされています。置き場所に迷って体をねじるより、始める前に手が届くかを確かめておくと落ち着いて勤められます。

集合住宅や家族が眠っている朝には、響く音が気になることもあります。時間帯を相談し、まず近くの部屋にどの程度聞こえるのかを家族と確かめるのも現実的です。音量への配慮が必要な日は、お勤めの仕方をお寺で相談できます。響きの長さや大きさを、信仰の深さのものさしにする必要はありません。

家族の習慣を、すぐに間違いと言わなくても

長く続けてきた家のやり方と、宗派の案内が違うことはあります。それに気づいたとき、「今まで全部間違っていた」と言ってしまうと、道具の使い方より家族の気持ちのほうが問題になってしまいます。

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「この本ではここに印があるね」「次のお参りのときに、一緒に打ち方を教わろう」と、手元の勤行本から話を始められます。仏壇の中心にある本尊に向かい、何を勤めているのかを家族で確かめる機会にもなるでしょう。

覚え直す箇所は、一度に全部でなくてかまいません。次に本を開いたとき、前に迷った一つの●印がわかる。そのくらいの進め方なら、日々のお参りの中で身につけていけます。

よくある質問

仏壇で手を合わせるときは、必ずおりんを鳴らしますか?

真宗大谷派では、おりんは勤行の合図に使うものと案内されています。合掌して念仏を称えるお参りのたびに鳴らす作法ではありません。他の宗派の作法と混ぜず、ご自宅の勤行の形に沿って使います。

おりんは二回と三回、どちらが正しいですか?

場面を特定せず、回数だけでは決められません。真宗大谷派の勤行本では、文字の右側にある●印が打つ箇所と音の大きさを示します。読む勤行と箇所を確かめ、手元の本と実際のお勤めを合わせて覚えます。

おりんを打ち忘れたら、お勤めをやり直しますか?

鈴は勤行の進行を知らせる合図です。打ち忘れだけから、故人への供養が失われたと考える根拠にはなりません。途中で迷ったら声の流れに戻り、終えてから勤行本の該当箇所を見直せます。

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