家族の世話で学校や仕事に支障がある時、相談先を探す
家族の通院に付き添うため、授業を休む。夕方はきょうだいの世話があり、応募したい仕事の勤務時間に合わない。家の事情をどこへ話せばよいのか分からず、予定のほうを諦めてしまうことがあります。
相談先を探す時は、「介護」という言葉だけに絞らず、ヤングケアラーや若者ケアラーの支援も見てみてください。ここでは日本の窓口を使うために、対象年齢、地域、連絡方法を確かめ、最初の相談につなぐ道筋を紹介します。
年齢と、必要な助けから探せます
こども家庭庁の相談窓口検索では、対象地域に加え、電話やSNS、訪問などの方法を選べます。支援内容にも家事・育児、外国語通訳、学習、キャリアなどの項目があります。18歳以上に対応する窓口も絞り込めます。
たとえば、電話で家の事情を話す場所が取れないなら、SNSという連絡方法から探せます。家事を誰かに代わってほしい場合と、進路を相談したい場合では、見る項目が変わります。複数の困りごとがあるなら、最初から一種類に決めなくても構いません。
検索で見つけた団体の案内を開き、自分の地域と年齢が対象かを確認します。検索項目にある支援が、すべての地域で同じように受けられるわけではありません。学校では先生やスクールソーシャルワーカーなどにも相談できます。検索の結果を一緒に見てもらう方法もあります。
LINEの送信時間と、返事をする時間
地域の窓口の例として、埼玉県ヤングケアラーチャンネルがあります。県内のヤングケアラー、18歳からおおむね30歳代の若者ケアラー、その保護者等が対象です。自分が当てはまるか分からない人も相談できます。
相談員の対応は平日11時から20時で、祝日と年末年始を除きます。メッセージ自体はいつでも送れます。予約不要で匿名利用ができ、相談料は無料ですが通信料は自己負担です。夜に送信できることと、その場で返事が来ることは別です。
同窓口は、原則として本人の希望や同意なく内容を第三者へ伝えないと説明する一方、身体や命に危険がある緊急時は関係機関へ連絡する場合も示しています。利用前には案内と規約を読み、分からない点を尋ねられます。
近くに見つからない時の全国向け窓口
ヤングケアラー協会の本人向け案内には、全国を対象にしたLINE相談「ヤングケアラーズキャリア」が掲載されています。家族の世話に関する悩みだけでなく、進学や就職についても相談する入口です。同じページにある自治体別の窓口とは、対象地域が異なります。
進路が決まっていなくても、今の生活との関係から相談したいことを書けます。「この時間帯には家にいる必要があり、進学先をどう探せばよいか分からない」と、まだ答えのない状態を話題にできます。利用時間や個人情報の扱いは、その窓口自身の説明を確かめます。
一日の世話を、相談で使える言葉にする
最初の連絡には、家族全員の事情を整然と書くより、自分がしていることを一つ選べます。「火曜の午前は通院の付き添いがあり、同じ授業を何度も休んでいる」。曜日、役割、生活への影響があれば、何について相談したいかが見えてきます。これは書き方の例で、提出が必要な様式ではありません。
時間の長さだけでは説明しにくい世話もあります。いつ呼ばれるか分からず外出の予定を入れられない、家族に代わって電話を受けるので授業中も携帯が気になる。実際に手を動かしていない時間にも予定が制限されているなら、そのことを付け加えられます。
希望も、今すぐできそうなことだけに小さくしなくてよいのです。「毎週一度は放課後に残りたい」「来年は家から離れた学校も検討したい」と、取り戻したい時間や選択肢を伝えます。実現方法が分からないところを含めて、話し合う材料になります。
相談先から別の機関を紹介されたら、自分で連絡するのか、つないでもらえるのかを聞いておきます。何度も家の事情を説明する負担が大きいなら、伝えてよい範囲の短いメモを作る方法もあります。住所や家族の病名などを、公開のコメント欄へ書く必要はありません。
本人への支援と、家族への支援を分けて話す
自分が学校へ行く時間を確保する話と、家族が必要な世話を受ける話は、関わり合っています。「自分の予定を変える」だけで相談が終わりそうなら、家族側で使える支援も検討してほしいと伝えられます。家に誰が来られるか、どの世話を引き継げるかは、担当者と具体的に確認していくことになります。
障害のあるきょうだいの学校生活にも困りごとがある場合は、本人に必要な学校での合理的配慮の相談も別に考えられます。世話をしているという理由だけで、同じ制度の対象になるという意味ではありません。それぞれの困りごとを、誰の支援として考えているかを明らかにします。
すでに心理相談を受けている人も、話を聞いてもらうことに加えて、家事や通学をどう支えるかを相談できます。カウンセリングの進め方を見直す話と、生活を支える人手や制度の話を、同じ一つの答えにまとめなくてもよいのです。次に誰が何を調べるのかまで確認できれば、自分が全部を持ち帰って調べ直す負担も話題にできます。
よくある質問
18歳を過ぎたら、ヤングケアラーの相談先は使えませんか?
年齢の範囲は窓口ごとに異なります。こども家庭庁の相談窓口検索には「18歳以上も対応可」という条件があります。進学や就職をした後も、自分の年齢と生活の状況に対応する窓口を探せます。
最初の相談で、家族の事情を全部説明する必要がありますか?
まず、自分が今困っていることと、話せる範囲を伝える方法があります。家族の病歴や生活史を長くまとめるより、授業を休む曜日、家を離れられない時間など、支援を考えるための具体的な場面を一つ持ち込めます。