法事で正座ができないとき:椅子席の頼み方と当日の動き
法事の案内が届いて、まず「長く正座できるだろうか」と気になったら、返事と一緒に席のことを相談できます。参加を諦めるか、当日まで黙って我慢するかの二択にする必要はありません。
椅子席でお参りできるお寺はあります。大阪の浄土真宗本願寺派・正宣寺は、足が痛い人からの質問に、全席が椅子と案内しています。座り方の条件を確かめることも、参列の準備の一つです。
返事のときに、必要な座り方を伝える
家族や親族の法事へ招かれた場合は、まず施主に「正座が難しいので、椅子席をお願いできますか」と伝えられます。寺院が会場なら、施主からお寺へ確認するのか、自分で担当者に連絡してよいかを合わせて聞きます。
伝えるのは、病気の詳しい説明より、その日に必要な条件です。背もたれのある椅子がよい、床から立ち上がるのが難しい、低い椅子だと座れないなど、具体的な内容があると準備する側にも伝わります。
自分だけ違う席になることが気になる場合も、申し込み時に話せます。全員が椅子の会場なのか、一部の人に椅子を用意するのかが分かれば、当日の様子を思い描きやすくなります。
本人が使いやすい座席かどうかが、確認したい中心です。家族が代わりに連絡するときも、本人の希望を聞いてから伝えると、準備した椅子が合わない行き違いを減らせます。
椅子の場所と、焼香への動線を合わせる
本堂に椅子が用意されていても、好きな場所へ動かせるとは限りません。香川県の真宗興正派・円龍寺は、椅子を並べる位置についての説明で、移動や避難のための通路を確保していることを挙げています。
出入口の近くに座りたいときも、空いて見える場所へ自分で椅子を運ばず、担当者に相談できます。座席を調整する人には、通路や出入口を含めて配置を考えてもらえます。
法事の途中で焼香に進む場合は、立ち上がる回数と移動する距離も気になります。席からどこへ向かうのか、移動が難しいときはどうするのかを、始まる前に僧侶や係の方へ尋ねます。その法要の進め方に沿って、参拝の方法を相談できます。
車いすを使う場合は、別の椅子へ移ることを前提にせず、車いすのまま参拝する経路と席を確認します。椅子席があることと、車いすでそこまで行けることは、別の条件です。
自宅の法事では、誰の椅子を何脚用意するか
自宅で営む法事の施主なら、出欠を聞くときに、椅子を希望する人がいるかも尋ねられます。年齢だけでこちらが決めず、必要な座り方を本人に聞いて人数を数えます。
円龍寺は、自宅の法事で椅子を使う提案をし、自寺の門徒には椅子を貸し出せると説明しています。他の寺院は事情が異なることも明示されているため、借りたい場合は、法事をお願いするお寺へ具体的に相談します。
借りられるなら、必要な数、受け取りと返却の日、運ぶ人を決めます。椅子の形によっては自家用車に積めない場合もあるので、寸法や折り畳めるかを聞いておけます。貸し出しが難しい場合は、会場をお寺にすることも含めて予定を考え直せます。
家庭の椅子を使うときは、床や畳の保護についても確かめます。足元に敷いた物がずれないか、座ると傾かないかを事前に見ます。仏壇の前に並べたあと、玄関からの通路と、お焼香へ向かう場所を歩いて確かめておくと、当日に配置をやり直さずに済みます。
僧侶にも椅子が必要かどうかは、勤めをお願いするときに尋ねられます。参列者が椅子だから僧侶も必ず同じ、または僧侶には不要、と家族の側で決める必要はありません。
持参する椅子と服装も、座った状態で確かめる
普段使っている折り畳み椅子や正座用の補助具がある場合は、持参して使えるかを会場へ伝えます。床に直接置く小さな用具と、通常の椅子では、高さや足の位置が違います。「椅子を持っていきます」だけで分かりにくければ、写真や寸法を添えて相談できます。
服装は、立った姿だけでなく、実際に椅子に座ってみると窮屈な部分が分かります。膝を曲げたときに締め付けないか、裾が足元に絡まないか、立つときに動きやすいかを見ます。寺院参拝の服装を考える際にも、当日の姿勢を含めて選べます。
荷物は足元の通路を塞がない位置に置きます。杖などを使う方は、必要なとき手が届き、周りの人が踏まない場所を担当者と相談しておけます。
途中で休む可能性も、最初に話しておける
長く座り続けるのが難しいなら、読経と法話を含めたおおよその予定、休憩があるか、席を外したときに待てる場所を聞いておきます。退出が必要になってから、出口を探したり周囲に説明したりする負担を減らせます。
当日、痛みや体調の変化があれば、隣の人や係の方へ一声かけて動けます。途中で席を外すことを、故人や仏さまへの敬意がないと受け取る必要はありません。同行者がいる場合は、手伝いが必要かを本人に確かめます。
法事のあとに会食があるなら、そちらの席も同じように確認します。本堂は椅子でも、食事の部屋は座卓という組み合わせも考えられます。お勤めから食事、帰り支度までの座り方を一緒に見ておくと、一日のお参りを無理なく計画できます。
よくある質問
法事で椅子に座るのは失礼ですか?
椅子席でお参りできる寺院があります。正宣寺は全席が椅子と案内しています。正座が難しい場合は、会場の席について施主や寺院へ前もって伝えられます。
法事に自分の椅子を持参してもよいですか?
持ち込み前に会場へ相談します。畳への影響や通路、座席の高さ、ほかの参列者との位置関係があるため、用意される椅子と持参品のどちらを使えるか確かめます。
読経の途中で席を外してもよいですか?
体調や必要に応じて退出することをためらう必要はありません。途中で休む可能性がある場合は、出入りしやすい席と休める場所を先に相談し、当日は周囲へ一声かけて動けます。