セカンドオピニオンを言い出しにくい。主治医への相談を考える

別の医師にも意見を聞いてみたい。それでも、何度も診てもらった先生を前にすると言い出せないことがあります。「信用していないと思われるだろうか」と考えるうちに、診察が終わってしまう。帰宅してから、また同じ疑問が浮かびます。

主治医への感謝と、治療をよく理解したい気持ちは、同時に持てます。どちらかを消して話す必要はありません。ここでは、治療方針の説明を受けた後に、第二の意見を求めたいと考えている場面を扱います。まだ診断を待つ段階のつらさは、検査結果を待つ不安で取り上げています。

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別の意見を聞いて、何を確かめたいのか

セカンドオピニオンは、診断や治療について、現在の担当医以外の医師から助言を受けることです。国立がん研究センターの案内も、転院や、その場での検査・治療とは区別しています。がん診療についての説明ですが、まず自分が求めているのが「意見」なのか「別の病院での診療」なのかを分ける手がかりになります。

そのうえで、いちばん残っている疑問を一つ言葉にしてみます。「治療法が複数あると言われたが、私の場合にこの方法を勧める理由が分からない」「副作用と仕事の両立について、もう少し考えたい」。自分がどこで立ち止まっているかが見えると、相談の目的も伝えやすくなります。

よく分からなかった説明を、分かったことにしなくてよいのです。知識の試験を受けるわけではありません。説明された言葉と、自分がそこから受け取った意味が同じかを確かめるところから、話を続けられます。

主治医への一言を、自分の言葉で用意する

切り出す時に、長い謝罪から始めなくてもかまいません。たとえば「今の方針をもう少し理解して決めたいので、セカンドオピニオンを考えています」と伝え、その後に、確かめたい点を続けます。これは会話の一例です。普段使わない丁寧な言葉で固めるより、自分が言える長さに直しておきましょう。

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「先生の説明を聞いていないと思われそう」と不安なら、理解した部分も添えられます。「手術を勧める理由は、この点だと理解しています。ただ、術後の生活について迷いが残っています」。理解できたことと、残った疑問を一緒に話せば、相談の続きとして切り出せます。

家族に勧められただけで、自分はまだ迷っている場合も、そのまま話せます。家族の希望を自分の決心として言い換える必要はありません。付き添いを頼むなら、「最初の一言は自分で話したい」「途中で忘れた時だけ補ってほしい」と役割を相談しておく方法もあります。

言い出しづらさが強い時は、がんの相談なら、がん相談支援センターや看護師などにも相談できます。主治医の反応を予測して会話全体を諦める前に、話の入口を一緒に考えてもらう選択があります。

資料と日程は、受ける先に確かめる

医療機関ごとに、対象となる分野や申込み方は異なります。たとえば国立循環器病研究センターの外来案内は、循環器疾患を対象とし、主治医の紹介状や検査資料を求めています。紹介状なしで当日訪ねれば相談できる、という仕組みではありません。

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候補の窓口には、自分の病気が相談対象か、必要書類、予約までの流れ、費用を確認します。同センターには本人の同意に基づく同席・代理相談の手続きもありますが、他院にも同じ条件があるとは限りません。家族だけで相談したい場合も、予約前に確認が必要です。

治療を決めるまでの時間については主治医に尋ね、予約が取れた日だけで治療日程を動かさないようにします。調べる作業を家族と分担するなら、病状の判断はせず、窓口に確認した事実を持ち寄る形にすると混乱を減らせます。

『箭喩経』は、必要な質問を捨てさせない

漢訳『中阿含経』第二二一経「箭喩経」には、毒矢に射られた人の譬えがあります。親族が治療する人を呼んだのに、傷ついた本人は、射手の出身や弓の材質などを知るまでは矢を抜かせないと言う。答えを待つ間に命が尽きる、という厳しい話です。

この譬えの背景には、世界は常住か、如来は死後どうなるかなどへの答えを、修行を続ける条件にした修行者の問いがあります。経は最後に、苦とその原因、苦の滅、滅へ至る道は、覚りと涅槃に向かうため説く、と示します。単に質問を減らせと言っているのではなく、何のために問うのかが問題になっています。

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医療の場面で受け取るなら、治療に関わる質問を遠慮して飲み込む方向には使えません。むしろ、限られた時間を使って確かめたいことを見失わないための譬えとして読めます。手術そのものへの怖さが中心なら、手術前の恐怖と質問の準備も、疑問を分ける助けになります。

二つの意見を、次の相談に持ち帰る

同じ意見が返ってきても、尋ねた意味がなくなるわけではありません。何を根拠に勧めているのか、自分の理解に変化があったかを振り返れます。違う意見なら、「どちらの先生を信じるか」だけでなく、判断が分かれた点を具体的に確認したいところです。

聞き取れた理由と、まだ分からない理由を混ぜずに残し、主治医との話合いに持ち帰ります。気持ちが揺れていることも伝えてよいのです。選ぶ負担を一人で引き受けようとするより、疑問がどこまで整理されたかを医療者と共有しながら、次の判断へ進めます。

よくある質問

セカンドオピニオンを受けると、転院することになりますか?

別の医師の意見を聞くことと、転院して治療を受けることは別です。意見を聞いた後、現在の主治医と改めて治療方針を相談できます。転院を希望する場合には、受入れの確認や別の手続きが必要になります。

主治医と違う意見が出たら、どう考えればよいですか?

医師のどちらかをすぐ正しいと決めるより、何について判断が分かれたのかを確かめます。病状の見方、治療の目的、自分の希望など、違いのある点を主治医との次の話合いに持ち帰りましょう。

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