お布施はいつ渡す?包み方・渡し方・挨拶の基本
法事の準備を進めていて、最後に手が止まるのがお布施の渡し方です。金額の相場はお布施はいくら包むかで整理しましたが、実際にどう渡すのかとなると、不安は別のところにあります。
いつ渡すのか。どう包むのか。手渡しでいいのか。何と言えばいいのか。一つずつ整理します。
渡すタイミング
お布施は法要の前に渡すのが一般的です。
具体的には、僧侶が会場(自宅、お寺、斎場)に到着し、控室や客間に通されたとき。または法要開始前に施主が挨拶をするタイミングで渡します。
法要が始まる前に渡しておけば、読経後に慌てる必要がなく、僧侶も法要に集中できます。
タイミングを逃してしまった場合は、法要後でも構いません。お斎(食事)に僧侶が参加される場合はその前に、参加されずにお帰りになる場合は見送りの際に渡します。「本日はありがとうございました」の一言とともに手渡すだけで十分です。
葬儀の場合は、通夜の前に渡すか、葬儀当日の開式前に渡します。通夜と葬儀の両方で読経を依頼する場合、まとめて一度に渡すことが多いです。
袋の選び方と表書き
お布施を包む袋には、主に三つの選択肢があります。
白い無地の封筒。最も手に入りやすく、広く使われています。郵便番号枠のないものを選んでください。
「お布施」と印刷された専用封筒。文具店や葬儀社で入手できます。表書きを書く手間が省けます。
奉書紙(ほうしょし)。最も正式な包み方です。半紙でお札を包み、さらに奉書紙で外包みします。慶事と同じ折り方(上側を外にかぶせる)にします。
表書きは上段中央に「お布施」または「御布施」と書きます。下段には施主の姓を書きます。薄墨ではなく、通常の黒墨で書いてください。香典は薄墨で書く場合がありますが、お布施は感謝の気持ちを表すものなので黒墨です。
中袋(内袋)がある場合は、金額と住所・氏名を記入します。白封筒の場合は裏面に金額と住所を書きます。
渡し方の作法
お布施を手渡しするのはマナー違反です。必ず何かの上に載せて差し出します。
切手盆を使う場合
最も正式な方法です。黒塗りの小さな盆(切手盆)にお布施を載せ、僧侶に向けて差し出します。
手順は以下の通りです。切手盆の上にお布施を置く。表書きが自分から読める向きに置く。僧侶の前に盆を差し出しながら、盆を180度回して表書きが僧侶から読める向きにする。
袱紗を使う場合
切手盆がない場合は、袱紗(ふくさ)で代用します。紫色の袱紗であれば慶弔どちらにも使えます。
袱紗を開き、お布施を取り出し、袱紗の上に載せて差し出します。袱紗ごと渡すことはしません。袱紗を台として使う形です。
どちらもない場合
切手盆も袱紗も手元にない場合は、白い無地のハンカチの上に載せて渡しても構いません。ポケットから裸の封筒をそのまま差し出すのは避けてください。
添える言葉
渡す際に長いスピーチは不要です。以下のような短い一言で十分です。
法要前に渡す場合は「本日はお忙しいところありがとうございます。お布施をお納めください」。
法要後に渡す場合は「本日はありがとうございました。些少ではございますが、お布施をお納めください」。
「些少(さしょう)ではございますが」は定型句です。金額に関わらず使って構いません。
お車代や御膳料を別に包んでいる場合は、お布施と一緒に盆の上に載せて渡します。お布施が一番上、お車代と御膳料をその下に重ねます。
お寺に直接持参する場合
法事をお寺で行う場合、お布施を持参します。受付があればそこで渡します。受付がなければ、法要前に僧侶に直接手渡します。
お寺によっては「お気持ちで結構です」と金額を指定しないことがあります。その場合の金額の考え方はお布施の金額と考え方で整理していますので、あわせて読んでみてください。
お布施の渡し方に完璧な正解はありません。地域やお寺によって慣習が違うこともあります。迷ったときは、菩提寺や葬儀社に事前に聞いておくのが確実です。
仏教における布施の本来の意味は、物質的な対価を支払うことではありません。僧侶の読経と法話に対する感謝、そして仏法が次の世代に伝わるための支えとしての行為です。形式を気にしすぎるよりも、その感謝の気持ちが丁寧に込められていれば、それで十分伝わります。
よくある質問
お布施は法要の前と後、どちらに渡しますか?
法要の前に渡すのが一般的です。僧侶が到着して控室に通されたタイミング、または法要開始前の挨拶の際に渡します。タイミングを逃した場合は、法要後にお礼の言葉とともに渡しても失礼にはなりません。
お布施を包む袋は白い封筒でもいいですか?
はい、白い無地の封筒で問題ありません。郵便番号枠のないものを選んでください。奉書紙で包むのが最も正式ですが、現在は白封筒が広く使われています。「お布施」または「御布施」と表書きを書きます。